株式会社あきんどスシローが実施した日本国内全店舗の一斉休業は、今年で7年目を迎えました。この取り組みは、社員の働き方改革として世間から高い評価を得ている一方で、非正規従業員の収入減少という課題も浮上してきています。
本記事では、この取り組みの目的と背景、そして今後の展望について詳しく紹介します。
働きやすい環境づくりで人材確保・イメージ向上を目指す
スシローの行う一斉休業と言う施策は、従業員が心身ともにリフレッシュできる環境を提供し、労働環境の改善を通じて人材確保につなげることを目的としています。特に、緊急連絡を気にせず休暇を取れる点は、店長やマネージャーからも好評です。この施策は世間からの高い評価を受けており、人手不足が深刻な外食産業において、働きやすい職場をアピールすることは企業イメージ向上にもつながっていると考えられます。
また、この一斉休業は、スシローの好調な業績に支えられています。親会社である株式会社FOOD & LIFE COMPANIESの半期報告書(2024年10月~2025年3月)によると、連結売上収益は前年同期比15.8%増、純利益は同63.1%増と発表されており、安定した経営基盤がこのような取り組みを可能にしています。
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一斉休業で発生する課題点
一方で、この一斉休業は、パートやアルバイトといった非正規従業員にとっては収入減少に直結するという問題があります。「スシロー」「はま寿司」などの回転寿司店ではたらくパート・アルバイト・正社員でつくる労働組合である「回転寿司ユニオン」によると、スシローの店舗運営は非正規従業員が中心となっており、休業は働いた時間や日数によって収入が変化する彼らの生活に直接影響を与えているのも現状です。
同ユニオンは、これまで一斉休業日の休業手当の支払いを会社側に求めてきましたが、「所定労働日ではない」という理由で拒否されています。過去には賃上げ要求への実質的なゼロ回答や、ストライキ時の「スト破り」なども指摘されており、これらの経緯から、一斉休業のあり方について再考を促しています。
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おわりに
スシローの一斉休業は、正社員の働き方改革としては一定の成果を上げています。しかし、非正規従業員への配慮という点では、依然として課題が残されているのが現状です。大手飲食チェーンの動向は業界全体に大きな影響を与えるため、スシローが今後、非正規従業員の待遇改善にどのように向き合っていくのか、その対応が注目されます。働き方改革を真に推進するためには、多様な雇用形態の従業員すべてが納得できるような制度設計が求められます。スシローの今後の取り組みが、外食産業における新たな働き方のモデルとなることを期待したいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。