政府は2024年12月27日、令和7年度（2025年度）の予算案を閣議決定しました。一般会計総額は過去最大となる115兆5415億円に達する中、観光庁の予算も前年度比5％増の530億円となり、注目を集めています。この増額された予算はインバウンドの地方誘客、持続可能な観光地の形成、観光DXの推進、人材不足対策など、喫緊の課題への対応に重点的に配分される見込みです。
本記事では、観光庁2025年度予算の概要と主要施策、その背景と課題について紹介します。
観光庁2025年度予算の概要
観光庁の2025年度予算は、前年度比5％増の530億3300万円となりました。これは新型コロナウイルス感染症の影響からの観光需要回復と更なる観光立国推進に向けた政府の強い意志を示すものと言えるでしょう。
予算の内訳を見ると一般財源が89億円、観光振興のための財源として活用される国際観光旅客税（以下、旅客税）財源が441億円となっています。この旅客税財源のうち246億円は、他省庁の観光関係予算に移し替えられる仕組みとなっています。
また、2025年度予算における主要な施策と重点配分は、以下の通りです。
- 持続可能な観光地域づくり
- 観光DXの推進
- 人材不足対策
- デジタルノマド誘致促進（新規事業）
- 広域周遊観光の促進
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予算増額の背景と狙い
今回の予算増額の背景には、以下の要因が考えられます。
1つ目は、インバウンドの本格回復です。新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着き、インバウンド需要が回復傾向にあるためです。
2つ目は、観光立国推進への強い意志です。政府は、2030年の訪日外国人旅行者数6000万人目標達成に掲げており、それに向けた政府の強い意志だと考えられます。
3つ目は、地方創生への貢献です。観光を通じて地域経済を活性化し、地方創生に貢献することを目指しています。
4つ目は、持続可能な観光への世界的潮流です。環境や文化に配慮した持続可能な観光の重要性が世界的に高まっていることが考えられるためです。
上記の背景と狙いから、予算が増額したと考えられます。
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課題と今後の展望
今回の予算増額は観光立国実現に向けた大きな一歩と言えますが、課題も残されています。
地方における受入体制の整備については、インバウンドの地方誘客を促進するためには、多言語対応、交通アクセス、宿泊施設など、地方における受入体制の整備が急務です。また、人材不足の深刻化においては、観光業界における人材不足は深刻であり、人材育成と労働環境改善が重要な課題です。
そしてインバウンド需要の高まりに伴って浮き彫りになっているオーバーツーリズムへの対策においては、特定の観光地に旅行者が集中するオーバーツーリズムへの対策も必要です。地域住民との共存についても、観光客の増加による地域住民への影響を考慮し、共存共栄できる仕組みづくりが求められます。
これらの課題に対し、今回の予算を有効活用し、関係各所との連携を強化しながら具体的な対策を講じていくことが重要です。
観光庁の2025年度予算は、インバウンドの地方誘客、持続可能な観光、観光DX、人材不足対策など、喫緊の課題への対応に重点が置かれています。この予算を最大限に活用し、課題解決に向けた取り組みを推進することで、日本の観光は新たなステージへと進化していくことが期待されます。今後も、観光庁の動向に注目していく必要があるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
