～目次～
　1.数字で分解する日本のインバウンド産業
　2.「モノ消費」の危険性
　3.「モノ消費」から「コト消費」への転換期
　4.何度も選ばれる日本に、そして店舗に

1.数字で分解する日本のインバウンド産業

　日本の観光産業は、他国と比べて「モノ消費」への依存度が高いという現状があります。観光客の支出を見てみると、娯楽サービス費はアメリカやフランス、カナダなどの国々では10％を超えるのに対し、日本ではわずか5.1％にとどまっています。これに対して、買い物代は26.5％と、他国に比べて非常に高い割合を占めています。

2.「モノ消費」の危険性

　このような「モノ消費」に依存した観光産業には、いくつかのリスクが潜んでいます。一つは、中国人観光客の「爆買い」や円安に頼った消費構造です。円安によって物価が安く感じられ、観光客の購買意欲が高まる一方、これが永続的に続く保証はありません。中国経済の動向や為替の変動、さらに消費者の価値観の変化など、予測できない要因が多く、今後もこの依存体質が続くとは限らないのです。

3.「モノ消費」から「コト消費」への転換期

　こうした中で、観光業は「モノ消費」から「コト消費」へとシフトする転換期を迎えています。「コト消費」とは、物を買うことではなく、実際に体験することに重きを置く消費スタイルです。これからの観光業が目指すべき方向性は、日本独自の「体験」を提供することです。例えば、飲食業界では、屋台での食文化や茶道体験をPRすることが考えられます。こうした日本の伝統的な文化や技術を学び、感じることができる体験を提供することで、観光客にとって一層魅力的な目的地となるでしょう。

　また、日本のIP（知的財産）コンテンツは、世界的に高い人気を誇っています。アニメやゲーム、伝統工芸など、日本ならではのコンテンツを体験できる場所を提供することで、観光客にとっての魅力がさらに深まります。例えば、アニメファンが集まるイベントや、特定のアニメをテーマにした施設の運営など、日本ならではのコンテンツを楽しめる場を増やすことが、観光業の発展に繋がります。

4.何度も選ばれる日本に、そして店舗に

　このような体験型観光を実現するためには、マーケティング戦略も非常に重要です。特に外国人観光客に対しては、インターネットを駆使した情報発信が欠かせません。多くの外国人観光客は、グーグルを中心に情報を得るため、グーグルマーケティング戦略を徹底することが求められます。SEO対策を施したウェブサイトの構築や、グーグル広告を活用したターゲティング広告、さらには口コミやレビューを効果的に管理することで、オンラインでの露出を高め、より多くの観光客にアピールすることが可能となります。

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　日本の観光産業が持続的に成長し、世界から選ばれ続ける場所であり続けるためには、「モノ消費」から「コト消費」へのシフトを進めるとともに、外国人観光客に対しても効果的なマーケティング戦略を展開する必要があります。日本ならではの魅力を最大限に活かし、観光客に深い体験を提供することが、今後の観光業の成長に欠かせない要素となるでしょう。
　最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(参考文献)
観光庁、インバウンド免税上限の撤廃を要望　「爆買い」頼みの脆弱さ　編集委員　石鍋仁美 – 日本経済新聞